今回はなんと期待の若手ミステリー作家米澤穂信さんが最新作の自己解説をしてくださいました!デビュー作『氷菓』で登場した古典部が遭遇する「十文字」事件の真相は?推論の面白さと高校の文化祭というノスタルジックさを兼ね備えた作品です。古典部シリーズ『氷菓』と『愚者のエンドロール』は新装丁で角川書店より発売されます。一気に3作読むのがオツですよ♪
************************************************************
こんにちは。米澤穂信です。
この「クドリャフカの順番」を書くに当たっては、きっかけになった事件があります。昔、私が書店員だった頃のことです。ある本が大量に入荷したことがありました。
大量と一口に言っても、並大抵の量ではありません。普通にやっていてはとても店頭に出し切れなかったので、週刊少年漫画を置く一等地を特に空け、そこにその本を積んだものでした。
同じ装丁ばかりがずらりと並ぶ様は、異様でした。私はゲシュタルト崩壊を起こしたように、その物体を愛すべき本であると認識することさえ困難になりました。この量、何日かかっても到底売りつくせるとは思えない。恐怖と眩暈を感じました。
その時の恐ろしい体験を、いつか小説に書きたいと考えていました。そう友人に打ち明けたところ、「それは君にとっては悲劇だったかもしれないが、他人から見れば純然たる喜劇だ。となれば、その小説も喜劇になるだろう」というようなことを言われました。
さて、「クドリャフカの順番」は、文化祭用の文集を刷りすぎてしまうところから話が始まります。何とかしてこれを売らねば、という焦りが話を動かし、物語の語り手である高校生四人それぞれの行動を底で支えます。他方では連続盗難事件が発生し、その事件は語り手たちに密接に絡んでいくことになります。
果たしてこの小説は喜劇なのか。読者の皆様に是非とも、ご判断いただきたく思います。
『クドリャフカの順番』
著:米澤穂信 装丁:遊空龍+WONDER WORKZ。 出版社:角川書店
発売日:2005年6月30日頃
定価:税込1680円(本体1600円) 四六版仮フランス装
ISBN:4-04-873618-3
************************************************************
本当に、本当に、今年は米澤穂信さんが狙い目なのです!7月には東京創元社から新刊が発売。目が離せません。
